【治療実例4】2つの混合した頭痛のそれぞれの対処が明確になり発症頻度が減少したケース

頭こりラボでは、マニュアルに乗っ取った治療ではなく、
お一人おひとりに合わせた治療プランを組み立てます。

概要

混合した頭痛に対して対処がコントロールできるようになり頭痛頻度が減少したケース。
K様 / 東京都在住 / 35歳 / 女性 / 音楽教師

症状

  • 頭痛
  • 首・肩こり
  • 眼精疲労

状態

10年以上前から頭痛があり週3回は頭痛を感じる状態。

首肩こり由来の頭痛(=緊張型頭痛)とずきんずきんと拍動を感じ、ひどい時には吐き気を催す頭痛(=片頭痛)が混在している。右側頭部〜後頭部に局所の凝り、左側頭部に片頭痛の拍動を感じる

医師の診断を受けており、3ヶ月に1回のペースで受診とお薬の処方を受けている。

頭痛のトリガーは「気圧」と「肩こり」
薬のタイミングを逃してひどい片頭痛が出てしまうと、上体を起こしているのもつらく、音や光の眩しさも極力シャットアウトして布団に潜り込んで耐えるしかない状態になる。仕事も休まざるを得なく、生活に支障が出ている。


これまでは緊張型頭痛か片頭痛かご自身で判断できており、それぞれに効く対処法を選択できていたが最近になって判断がつきづらくなってきており混在が進行してきていると感じる。

入浴などで全身を温めると軽減していた緊張型頭痛が同じ処置で逆に増悪したり、 片頭痛に対して血管拡張を抑制するため患部を冷やすと楽になっていたものが逆に増悪したりしている。

見立て

片頭痛と確信できる前兆を伴う頭痛は服薬が著効していた。

最近になってその前兆が曖昧になってきた。原因の一つとして首肩の凝りと眼精疲労が慢性化しており、強い「首肩こり」症状が片頭痛発作の前兆と錯綜してしまっている可能性があるかもしれない。

初期の治療計画は、首肩こりの治療による緊張型頭痛の頻度と程度を下げていくとを優先的に進め、まずはこれまで通り「片頭痛」の前兆の認知と服薬のタイミングを逃さないようになることを目標に設定した。

初期治療

主に僧帽筋・頭半棘筋・頭板状筋の筋緊張の緩和、眼精疲労に関与する眼輪筋・皺眉筋・鼻根筋・前頭筋および帽状腱膜のマッサージを施術。

普段の座位姿勢を確認したところ、極端に骨盤を後傾しており、その影響をうけ背中と腰が大きく後弯(いわゆる猫背)、PCや楽譜を覗き込むように顎が上がっている。

お身体の評価したところ、もも裏の筋肉の硬さが強く・骨盤を正しい位置で維持するための腹筋群と背筋が極めて弱い。

セルフケアにて上記に対するアプローチを4種類お伝えし実施してもらった。

中期治療

片頭痛の前兆は明確化してきたように感じる。 首肩こりがつらいと感じる頻度は下がったが右後頭部〜側頭部の緊張型頭痛はまだ出る。

自覚症状が減ってはいるがまだ頚部〜後頭部の凝りが強いことと、咬筋(頬の顎を食いしばる筋肉)が圧倒的に右の方が硬さが強い。日常的に食いしばりがないか確認していただいたところ、集中時に高確率で食いしばりがあることを自覚できた。

食いしばり時に連動して働く筋肉に「咬筋」「側頭筋」「外側翼突筋」「内側翼突筋」、首の筋肉では「斜角筋」、「胸鎖乳突筋」がある。また、食いしばりによって舌骨から肩甲骨につながっている「肩甲舌骨筋」を治療ターゲットに含めた。

引き続き筋肉の過緊張を寛解していくと同時に意識的に顎周囲の力みが生じないように注意して過ごしてもらうよう促した。

後期治療

月に1回、90分治療を継続中。

気圧の変化が大きい時や前兆を感じる片頭痛は先手を打って薬のみここ1ヶ月ほどは片頭痛発作は出ないように過ごせた。緊張型頭痛の痛み程度と頻度は減少している。食いしばりはかなり意識して頻度は減らせているのが効いているかもしれないとのこと。

症状の頑固な右側頭筋・右頭板状筋・右頭半棘筋・両方の僧帽筋肩上部凝りに対して、マッサージに加えて鍼治療も行い首肩こりを慢性化させないための治療を継続。

エクササイズは正しい座位姿勢の獲得のため下部体幹(腹筋群・臀筋群)の強化・背骨を丸まらないようにするための上部脊柱起立筋の強化、またピアノ演奏時や日常生活動作時には肩甲骨周囲〜上肢、股関節周囲は機能的に動かせるよう広背筋や僧帽筋下部、大臀筋、中臀筋・ハムストリングスなどのエクササイズも行っている。

コメント

治療を進めていく中で、

⚪︎お身体の変化がある部分には
・ 変化があったことで改善した症状
・変化があったが改善しない症状
のヒアリングを行い、治療の精度を高めていきます。


⚪︎変化がない部分には
・お身体の再評価
・生活習慣や環境面の見直し
・治療内容・刺激量・治療頻度・アプローチ方法の見直し
・他医療機関との連携 など

を視野に入れ、患者さんとセラピストの間で治療について都度ご相談と治療計画の見直しを行っていくことを努めております。

当院の治療では患者さんのお身体のカウンセリングは、ご来院時のみならず随時LINEでご相談を承っており、当日〜翌日には担当者より返答させていただいております。日々の生活の中でご不明点やセルフケアのご質問などこまめに連携をとることで1日も早い症状改善に繋がると考えております。