【治療実例2】毎日頭痛があり、市販の頭痛薬を継続的に服薬している症状が改善したケース

当院のケースレポートをご紹介

頭こりラボでは、マニュアルに乗っ取った治療ではなく、
お一人おひとりに合わせた治療プランを組み立てます。

概要

眼精疲労と首肩の筋肉の過緊張からくる慢性頭痛と発症初期の片頭痛が適切なお薬の服薬により頭痛頻度が減少した例。
T様 / 東京都在住 / 44歳 / 女性 / 会社員

症状

  • 眼精疲労
  • 頭痛
  • 首の痛み

状態

毎日のように頭痛を感じる。

主にこめかみ付近の締め付けられるような頭痛だが、1週間前に過去1番強い頭痛があり、これまでにない気持ち悪さや拍動を感じた。市販の頭痛薬は効くときと効かない時がある。

とにかく仕事が忙しく直近では1週間のうち3日徹夜するほどの激務の役職になってしまった。平均12時間のPC作業。

できる限りマッサージに行こうとしているが1〜2ヶ月に1回ほどの頻度。

T様の自覚として
・モニターの明るさ調整がうまくいっていない
・職場の席の近くに声の大きい営業さんがいる (音が頭痛のトリガーになることもある)

見立て

緊張型頭痛と片頭痛が混合している可能性がある。

これまでに頭痛で病院を病院を受診したことがなく正確な診断を受ける為、提携院の頭痛外来を紹介。

①適切なお薬の服用による片頭痛の治療(頭痛外来)
②緊張型頭痛の治療 (筋緊張の緩和)
③自宅での頭痛予防に向けたセルフケア

以上の3本柱で治療を進めていくこととした。

初期治療

医療機関では筋弛緩薬、片頭痛薬、鎮痛薬の処方。
片頭痛発作は初回から2ヶ月間出ていない。

当院では鍼治療によって積極的に僧帽筋・頭半棘筋・頭板状筋の筋緊張の緩和、眼精疲労に関与する眼輪筋・皺眉筋・鼻根筋・前頭筋および帽状腱膜のマッサージを施術。

鍼治療後2日ほどおおそらく鍼のかえし(鍼の刺激の受けた筋肉が一時的に筋肉痛や鈍い痛み、張ったような感覚が出ることを当院では”かえし”と呼んでおります。)があったが、それが元からある頭痛との判断が難しいとのこと。

また、デスクワークの環境のヒアリングを行い、主にディスプレイの高さの調整・椅子の座面の高さの調整・スクリーンの明るさの調整を行なっていただいた。

中期治療

気圧の変動が大きい期間はまだ頭痛が出やすいが薬にて落ち着く。

鍼治療・マッサージの対処療法も継続しつつ、2ヶ月経過したあたりから積極的に姿勢改善のためのセルフケアの種類を増やした。

主に、頚部〜後頭部のストレスを軽減させるために上背部(脊柱起立筋)のエクササイズおよびストレッチ、正しい姿勢をキープさせるために体幹(腹横筋・大臀筋)のエクササイズ、肩甲骨周囲筋の血流促進のための体操の実施を依頼。

後期治療

初診から6ヶ月経過。ここまで8回の治療を終え、概ね拍動を感じる頭痛は出ていない。疲労が溜まってくるとズーンとした頭痛は出てきやすいが、以前よりセルフケアによりコントロールができている。

片頭痛の予防薬は継続中。当院では4週に1回の頻度で105分治療を実施していく。

コメント

片頭痛は、「偏頭痛」と書かれているのを見かけますが、医学的に正式な診断名は「片頭痛」です。その名前が示すように、頭の片側が痛むことが多いのですが、頭の両側が痛む(両側性)例が約4割に認められます。 また、片頭痛の発作ではズキンズキンと脈打つような痛みを感じる方が多くいる一方、ズキンズキンしない(非拍動性)場合も約5割に認められています。 頭痛の発作時は、吐き気や嘔吐を伴うことが多く、光や音、においに過敏になるといった症状がみられることがあります(※)。

T様の例も、頭痛が拍動性のものが発現し始めていること、市販の頭痛薬(NSAIDs:非ステロイド性抗炎症薬)が効かない頭痛があること(緊張型頭痛の中に非拍動性の片頭痛も紛れている可能性)、騒音が頭痛のトリガーになることから、片頭痛を疑い医療機関の受診を勧め、さらに治療方針を医師と共有することでお薬とお身体の鍼治療・マッサージ・セルフケアにより最短で頭痛頻度の減少に繋がった例と考えます。

今後は、引き続き片頭痛はお薬でコントロールしつつ、目や首の凝りからくる頭痛には徹底したほぐしと鍼治療、首に負担のかからない姿勢や環境づくりを行いさらに低いレベルでの安定を目指します。

※参考文献「慢性頭痛の診療ガイドライン 市民版」作成小委員会 : 慢性頭痛の診療ガイドライン市民版. 医学書院